著者は転職コンサルタントで、その視点からブラック会社を分類し、それが生まれた理由、社会的意義(?)、対応策などを述べている。いたってまじめな本で、ブラック企業の実態が知りたいとか、中の人の苦労話が読みたいとかという人には期待はずれ。逆に、世の中とブラック企業の関係について知りたい人向け。
本書ではブラック企業を「肉食系ブラック」「草食系ブラック」「グレーカラー」と分類している。いままでオイラがイメージしていたのは「肉食系」だけで、「草食系」「グレーカラー」をブラックに入れる発想はなかった。ちなみに「肉食系」はプロの野球、サッカー選手を例に上げているが、最近の若者向けには「吉本芸人」の方がわかりやすいのではなかろうか?「草食系」は「高学歴フリーター」とか、スキルアップの望めない職場。面白かったのは「グレーカラー」。
読んでいて思ったのは、以前の勤め先はだんだんとグレーに染まりつつあったのではないかということ。給料は同地域同年齢と比べれば相当に高かったが 2001年の IT バルブ崩壊後はジリジリと下がっていた。20年近く前に入社した当時はそれなりに高度というか参入障壁の高い技術を持っていたが、技術の進歩でそれは相当普遍化し、それに変わる新しい技術力を得たとはいい難く、仕事からエンジニアとしてのポータブルスキルを得るのは難しい。
自分としては「ゆで蛙」的な感覚があり、それも辞める理由のひとつだった。
その以前の勤め先、オイラがやめるころまでは勤務時間も山谷あれど年平均では月40時間は越えていなかった思うが、風のうわさでは今は相当きついと聞く。
今の勤め先はなかなか活気のある会社で、少なくとも中途採用基準ということではこの本にある
- 「転職歴が多い人はイヤ」
- 「経歴がバラバラな人はイヤ」
- 「経歴は良いが年齢の高い人はイヤ」
- 「経験の薄い・浅い人はもう少し若くないとイヤ」
しかし考えてみると、オイラが以前の勤め先で働き出したのは、その会社が創業15周年のころ。そこに15年に勤めている間にグレーが濃くなっていった。
そして今の勤め先も今年で創業15年。今から15年後に今の勤め先がどうなっているか、ちょっと想像できないが、今の社長に株式上場の夢は無さそうだ (^^;
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