中国について書かれた本ということでちょっと意外だったのだが、投資家として大きな額を動かすとなれば当然中国情勢についても詳しくなるわけで、読んでいてなるほどそういうわけでかと納得がいった。
前半は中国が出してくる統計上の数字がいかに当てにならないかという話。その後為替・エネルギー・世界秩序、そしてチャイナリスクと続く。出版されたのが2005年と今から13年前、リーマンショックの3年前なので、いろいろと古い情報もあったが状況は意外なほど変わっていない。
あとがきに
保守主義者として私が思うのは、日本国民にどのように分かりやすい問題を提示し、危機を演出し、効果的に扇動しながら「日本という国のかたち」を国民に合意させるかにある。とあるように、全体的にちょっと煽りすぎの感はあるが、「中国政府が崩壊したらどうなる?」と、いままで思いもつかなかったことに気付かされた。ソ連が崩壊したんだから、中国だっておかしくなる可能性はある。
この本がでてから13年、いまのところ中国崩壊の気配はないが、米トランプ大統領や、北朝鮮問題など、中国をとりまく状況がこれまでと変わってきている。少し気にした方がいい。
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しかし読みにくい本だった。内容が難しかったのか書き方が悪いのかはわからないが、新書一冊読み切るのに2-3ヶ月かかった。著者はおそらく物書きの才能はあんまりないんじゃなかろうか。
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