土曜日, 3月 06, 2021

本:ガラパゴス

  「震える牛」が面白かったので、同じ主人公が出てくる「ガラパゴス」を図書館で借りてきた。

 文章も読みやすく「震える牛」よりフィールドが広がったけど、わかりやすくて面白かった。最初、主人公の家の車が「ホンマのフィッタ」になっていて、あれ?前回はホンダのフィットだったのに?と思ったら、自動車メーカの暴露ものの内容もあったので、リアルな車名は減らしたっぽい。フロントエンジンの車よりミッドシップの方が動力性能が上とか、ハイブリッドのモーターの大型化で電気駆動時間を大幅に伸ばすとか??なところもあるが、「スーパーハイブリッド」の高速での燃費の悪さとか、異様に細いタイヤとかは初代プリウスについての指摘だろう。悪いメーカーとして出てくる「トクダ」、西新宿に本社があってスバルっぽいが、スバルはハイブリッド化がかなり遅れたし、最後の方で唯一のリアルに存在するメーカーとしてスバルの名前が出てくるので「トクダ」のモデルではないのは明らか。車好きとしてはこのあたりも楽しめた。

 話のメインは非正規労働者の悲惨な生活環境。最初の方では、そこまで悲惨にはならんだろうと思っていたが、読んでいるうちにだんだんリアリティが出てくる。まさに一度道を踏み外すと戻るのは困難な状況。自分も油断するとそっちに行きかねない。気を付けよう。

 あと、タイトルのガラパゴスは日本で売れている乗用車の半分はほぼ日本専用車(軽自動車を含む)というのもあるらしい。それは事実なのだけど、日本で生産された乗用車の約半分は輸出されているし、海外生産台数は国内生産台数の約2倍なことを考えると的外れな気がする。ちょっと詰めが甘い。

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読了まで初日7時間、二日目3時間。まともな生活が出来なくなるから相場英雄は暫く絶とう ><

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