Facebook の TL で、新型コロナウイルスの影響で騒がしい、今の世の中みたいな話、という紹介と、調べてみたらピューリッツァー賞受賞ということで、図書館で借りてきて読んでみた。自然科学や報道以外にもピューリッツァー賞と授与されるのね。
(以下ネタバレ注意)
話は世界が破滅した後と思われるたぶんアメリカで父親が幼い子供とともに冬を越すために南に移動していく物語。最初空が灰に覆われ太陽が直接見られない天気が続くのだが読み進むにつれ晴れることがないことがわかる。地上のものはすべて灰に覆われ人間以外の生き物はわずかなキノコ以外地上にも川にも恐らくは海にもほとんどいない。
親子が南に進むにつれ絶望的な状況が明らかになっていく。南が北より暖かくても耕せる土地はなく川にも海にも生き物はいない。命をつなぐものは人々がいないすでに何度も荒らされた廃墟に残された缶詰などの保存食だけだがそれも次第に見つけることが困難になる。
残りページが少なくてなってもラストが全く想像できなかったが意外な形の結末。
-----
句点の全くない文章で、最初、読むのに少し苦労したがすぐに慣れた。というか、灰に覆われたのっぺりとした世界が文章でも表現された感じ。訳者あとがきでは SF とあったが、SF というには理論的にちょっと弱い。ダーク・ダーク・ファンタジーという感じか。
スティーブ・キングが書きそうな、暗いお話だが、キングとは違うお話。
もう一度読みたいような読みたくないような...
0 件のコメント:
コメントを投稿