木曜日, 4月 01, 2021

本:キッド

  最近、相場英雄を続けて読んでいるので、まだ読んでないのを図書館から借りてきた。

 これは産経新聞2018年5月8日から12月21日まで連載されたものに加筆・修正したもの。中々に文章が濃くてその意味では面白く、22時ぐらいから読み始めて、途中1時間ぐらいの休みを挟んで朝の7時までかかって読み切った。日経ビジネスの連載で読んだ Exit より中身が詰まっていて、「御用船帰還せず」ほど退屈ではなく中々面白かった。
 
 ただツッコミどころがいくつか。 


 元自衛隊のレンジャー部隊の教官で、傭兵崩れが主人公なんだけど、容姿の描写が全然ない。最初、パイナップルアーミーのジェド・豪士を想像したが、コーツのような気もしてきたが、あまりに情報が無いので普通の人っぽくなってMASTERキートンの平賀太一風になってきたが、それもしっくりこない。他の登場人物も外見の描写が非常に少ない。かなり不親切。
 
 前半のカーチェイス、車はミニバンなのに尻の下にディーゼルエンジンがある。ミニバンでディーゼルを載せている車はないし、エンジンが尻の下にあるのはワンボックス。エンジンが尻の下にあるワンボックスはハイエースかNV350だけどレンタカーとしては一般的ではない。
 
 車の種類は、ほとんどがミニバンとかSUVとかセダンとか書かれている。新聞連載だからスポンサーに配慮したのかな?と思ったが、一ヵ所だけ「トヨタのランドクルーザー」と具体的なメーカーと車名が出てくる。ちょっと詰めが甘い。
 
 東京の地名があっちこっち出てくるけど、地方出身者にはイメージしにくい。もう少し細かく書いてくれると東京観光ができるんだけど。
 
 ラストまで読んでも謎が全部解けない。それはそれでいいんだけど、もう少しヒントが欲しかった。
 
----
 続編がありそうな終わり方だけど、次は期待できるかなぁ...

0 件のコメント: