木曜日, 7月 18, 2024

本:香君

  「流れ行く者」を読んで、上橋菜穂子の他の本も読みたくなって調べてみたら、まだ読んでいない「香君」をみつけた。調べると近所の図書館に上下巻ともあったので早速かりてきて読んだ。

 古の技術の伝承がうまくいかず根拠が伝わらずに結果だけが残ったために、変えてはいけないものを変えてしまって大変なことになる、という基本構成は「獣の奏者」と同じ。獣の奏者では相手は大き目の生き物だったが、今回は植物と虫。獣の奏者や守り人シリーズのような大立ち回りがないので、読む手が止まらない、ということはないが、その分日常生活への影響はすくない w
 
 大立ち回りはないし、国レベルの諍いもないので上橋菜穂子の長編にしてはスケールが小さい感じはあるが、その分登場人物や把握する国、地形情報が少ないので読むのは楽。
 
 大量発生する虫が2種類出てくるのだが、最初に出てくる方の虫が最後までイメージできなかった。最初に出てきた虫は食物を食い荒らす虫=バッタのイメージがあったのだが、二つ目に出てくる虫がバッタ(のような生き物)だった。あと、大量のバッタが荒れ狂うさまがあまり書き込まれていなかったのはちょっと拍子抜け。まぁ、バッタの大量発生による大立ち回りは薬屋のひとりごとで読んだからいっか。
 
 なんか、こう、別なテーマもあったのだが、そちらの方は読んで一週間ですっかり忘れてしまった (^^;
 
 参考文献に昔読んだ本があって(バッタを倒しにアフリカへ)、あぁ、上橋さんもあれを読んだのか、と妙に親近感がわいた。
 
 この本の出版日が2022/03/24、薬屋のバッタの大量発生がなろうに乗ったのが2020/07、上橋菜穂子ももしかしたら読んだかもしれないなぁ、と想像するのもちょっと楽しい。

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