月曜日, 5月 14, 2018

本:アイデアのつくり方

 知り合いから勧められた本。Amazon の表紙画像に60分で読めると書いてあるので図書館から借りて読んでみた。

 新書版より幅がちょっと大きい100ページ強のハードカバー。大きめの活字で内容は
  序:3ページ
  日本の読者のみなさんへ:2ページ
  本文:52ページ
  解説:25ページ
  訳者あとがき:12ページ
  著者略歴:2ページ
と、ギリギリ本文が全体の半分を超えている感じの、ちょっと変わった作り。



 中身は要約すると「①データ(資料)集め、②データの咀嚼、③データの組み合わせ、④ユーレカ(発見した!)の瞬間、⑤アイディアのチェックの5段階」(pp71)で特に目新しいものはない。解説者が「著者と私の考えがあまりにもピッタリと一致したからである」(pp67)というぐらいで特に目新しいものではない。実際、②データの咀嚼のあたりでカードを使って整理する話が出てきて「KJ法?」と思ってしまった。
 間違った内容とも思わないが、最近のそっち系のビジネス書やアイディア出しの本を読めば、最初の方に数ページでまとめてありそうな内容。
 
 もともとは1940年に書かれた内容だそうで、その頃なら確かに一冊の本にする価値はあったと思う。日本語初版が昭和36年だそうなので、それも意味があったと思う。しかし原著から80年近く、日本語の初版から半世紀以上たった今、あえてこの本を読む意味はない。
 
 著者は広告業界の重鎮で、その方面では古典的名著らしいが、こんな古い本をいまだに価値があるように売り続けているのだから、本の内容よりそちらの方が学ぶ価値がありそうだ。
 
 ちなみに、本文は昭和36年の日本語版初版そのままだそうで57年前の文章、なかなか微妙に読みにくい。読んだ本の初版が1988年なので、解説は30年前の文章、どことなく古臭さを感じる。
 
 文章がどうやって古くなっていくかを感じられたのはある意味、貴重な体験だった。

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