土曜日, 9月 03, 2022

本:日本軍はなぜ満州大油田を発見できなかったのか

 どこで知ったかは忘れたが、図書館に予約をいれて、順番が回ってきた本。

 著者は長く商社で石油を扱ってきて、その流れで興味を持っていろいろな歴史的資料を調べてきた。その内容をまとめたのが本書なそうな。

内容は満州に限らず、樺太、中国、南洋諸島と戦前・戦中を通しての日本の石油政策について書かれている。軍部の秘密主義、陸軍と海軍の覇権争い、現実を無視した開戦へという、他でも見聞きする流れを油田の開発を軸に綴られている。読んだ感想は、やっぱり戦前の日本はだめだ、ということ。

今、温暖化ガス削減の流れの中で石油の立場はよろしくない。しかしながら、太陽光を主力とする再エネはまだまだ当てにならないのは、この夏の関東で電力逼迫でわかった。天然ガスが当てにならないことも、ロシアーウクライナ戦争で発覚した。まだまだ石油の重要性は下がらない。一世紀近く昔の轍を踏まないように、日本は石油の資源開発を続けていく必要はあるのではないだろうか。