水曜日, 12月 12, 2018

本:「夜遊び」の経済学~世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」

 どこで見つけたかは忘れたが、前から気になっていた本。図書館に予約していたのが回ってきた。

 「夜のお仕事」というと、ちょっと健全でない気がするが、この本のいう「ナイトタイムエコノミー」はそういうレベルの話ではない(いや、もちろんそういうのを含んでもかまわないのだが)。
 身近なレベルでは、地方都市に出張に行って、一仕事終わってホテルに荷物を置いてから外に出たら、飲み屋がほとんどないとか、海外旅行客の例だと、昼間に豊かな自然や歴史的な観光地を見て回ってもほとんど金を落とすところがないのに、夜、田舎に泊まるとこれまた金を落とすところがないとか。
 
 どうやってこれらを解決すればよいかについて海外の例も交えて詳しく解説している。この本で成功例として紹介されていた渋谷のハロウィンが、今年は行き過ぎてしまったりしていてなかなか面白い。
 日本のカジノについても書かれていたが(著者はこっち系の専門家)、シンガポールの成功例と韓国の失敗例などを読み比べると、日本で政府・自治体主導で成功させるのは相当に難しそうな感じ。
 
 知ってそうで知らない世界の知識をコンパクトにまとめて短時間で読ませてくれる、新書のお手本のような本だった。