木曜日, 10月 08, 2015

本:フードトラップ

 どこで見つけたかは忘れたが、図書館に予約を入れた本。

 かなりの力作。一度借りて、少し読んだのだが、時間が足りずに返却。再度予約を入れ、結構たって手元にきたので再度最初から読み直してようやく読了。
 アメリカで加工食品メーカーや清涼飲料水メーカーが糖分、脂肪分、塩分や、各種マーケティングを使ってどうやって売り上げを増やし、それが消費者の健康にどういう影響を与えているかを書いた本。
 糖分、脂肪分、塩分のバランスを調整すると、麻薬と同じように脳の報酬系に直接影響を与えられるとか。それによって、消費者に商品を買わせ、結果、アメリカ人の多くが肥満や、その他健康に悪影響を受けているそうな。
 
 また、加工食品を受け入れる土壌になったのが、女性の就業率が上がって家事に割ける時間が少なくなったことにもあるそうな。
 
 この手の本は、かなり昔の内容のことが多いのだが、この本は原著の出版が 2013年で割と新しく、あの「アメリカ」がつい数年前にこんな状況だったのかと驚いたりした。
 
 振り返って日本は?というと、この本に出てきたような海外の食品ブランドは強くなく、スーパーやコンビニの惣菜、弁当を食べる機会は増えたが、レンジでチンするだけで一食分のランチ、などというのはそんなに普及していないように見える。
 それでも塩分過多とかメタボの話題はよく聞く。その原因が加工食品にあるのかどうかは微妙だが、日本では、糖分、脂肪分、塩分の他に「アミノ酸等」の影響も大きいだろう。
 
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 この本によると、アメリカでは牛乳は、全量政府買い入れの保護農産物だそうで、その処分のためにチーズ消費を増やすことを政府が後押ししたこともあって、チーズの国内消費量が40年間で3倍になり、その結果国民の脂肪分摂取量が増加し健康に悪影響が出ているそうだ。
 
 そう考えると同じ農家の保護政策でも、日本の減反政策がまだマシに見えてくるから不思議。

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