日々の徒然を

日曜日, 6月 19, 2016

闘うプログラマー

 読みたい本がなかなか図書館からまわってこず、以前勤めていた会社の社長の愛読書だったことを思い出して借りてみた。
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 今となっては、古典的なパソコン用 OS 、Windows NT の開発物語。リリースまでの開発過程が淡々と書き連ねられている。よく言えば個性的な面々がたくさん登場するが、長年ソフトウェア業界で暮らしていた自分にとっては、そう目新しい話はない。過酷な長時間労働として書かれている内容も、日本の開発現場とくらべればさして過酷とも思えない。長期休暇を取れたりストックオプションで大金を手に入れられることを考えれば、日本よりずっと良い状況。そういう意味で本書の内容自体はそんなに面白いとは思わなかった。
 
 しかし、その当時の動きを遠い日本からリアルタイムで眺めていた人間にとっては懐かしいものがある。
 当時の NT が発売前にいかに持ち上がれられ、落胆され、そして生き延びていったか。
 動かしたかった多くの CPU が、インテルの Itanium 計画のおかげでそのほとんどが生産中止になったが、その Itanium も AMD の x64 によって実質的に死に体となっている。またパソコンの CPU の命令セットは実質的に x64 一択、サーバーは x64 + かろうじて PowerPC 、モバイルは ARM + x64 が少々と PC/サーバーの命令セットの種類が数種類しかない。OS 自体もパソコン以外では UNIX 系、それもオープンソースの Linux がかなり強い。
 そして Windows は最新のアップデートで、かなり Linux に歩み寄っている。
 
 現在は NT 開発当時からはとても想像できない状態。この本から得られた教訓は、IT の分野での将来予測は無駄、ということか?
 
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上下巻の上巻は日本語が微妙に変で妙に読みにくかったのだが、訳者後書きで謎が解けた。前半の訳者は伊豆原弓。最初にそう書いてあれば覚悟して読んだのに。
 
 

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