木曜日, 1月 24, 2019

本:孤独死大国


 サブタイトルは「孤独死大国 予備軍1000万人時代のリアル」。著者が東洋経済のサイトに記事を書いていて、それが面白かったので図書館で借りてきた。

 中身のない薄っぺらな本。特殊清掃業者について孤独死の現場をいくつも取材したのは立派だが、それは他の本でも読める。基本的には孤独死は避けるべきものでそれを防ぐためには「縁」を作るしかない、というスタンス。
 「終生だれとも触れ合わず、一切のコミュニケーションから背を背けた、孤立した人生が幸福であるはずがないということだ」と断言しているが、その根拠が「最近流行のアドラー心理学」(pp197-198)。大事なことの根拠を「最近流行の」から持ってくるとは...
 
 孤独死や孤独死予備軍についての分析はニッセイ基礎研究所の研究成果に丸投げ。孤独死の定義すらはっきりさせていない。
 
 IT が独居者の突然死を検出できても、それに対応する人間関係が必須でその人間関係を作るのが難しいとある(pp185)。いや、そこは金で解決できるでしょう。天涯孤独で一人暮らしの人が自宅で突然死したことを IT が検出したら、特殊清掃が必要になる前にいいようにやってくれるサービス、遠からずできるよ。
 
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 私自身、在宅フリーランスで、仕事がない時期に家の中でばったり倒れたら1-2か月は発見されない状況なのだが、その結果として特殊清掃が必要になるのを避けるためだけに、2-3日消息が途絶えたら警察を呼んで鍵を壊して家の中まで入ってくるような人間関係を作り、維持しようとは思わない。
 
 この本の著者は人間関係で苦労したことが無いのだろう。きっと。

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