twitter の TL に、著者 @May_Roma 氏のツイートが RT されてたまに流れてくることがあり、面白かったのでフォローしたら、これがまた面白い。
ということで市立図書館の予約待ちの枠が空いたので、借りて読んでみた。
キャリアポルノというのは、すごい(ということになっている)人たちの書いた自己啓発本を読んで、満足してしまうこと。
その手の自己啓発本は書いている人がフツーではなかったり、実は成功していなかったりするので、読んで実践しても成功はできない。だから読んでも無駄。
また、自己啓発本の多くは仕事で成功することを目指しているが、仕事の成功と自己実現は別物だから、仕事に全力を注いだりしないで人生を楽しみましょう、というようなことが書いてある本。
「自己啓発とは自分を変えること」なので、この本はどうみても自己啓発書なのだが、「自己啓発書」を全否定して、いったいどうやって話しを落とすのかと思えば実にありきたりな結論。
ただ、その結論も、奨学金で一年間海外留学し、海外企業の買収を多く手がけた IT 企業に勤めたあとコンサルタントファームに移り、その後直接契約で国連機関の職員として採用され、現在はロンドンの金融機関で IT 系の仕事しているという著者のキャリアだから言えること。また、親族がバイク事故で死ぬか生きるかの状態になり、同じ病院の ICU で、脳が半分無くなっても仕事のことしか考えられない人を見たからたどり着いた境地ともいえる。
要はこの本で書かれているように「普通じゃない人の言う事は、普通の人には無駄ですよ」状態。
まぁ、そういう意味で完全な「キャリアポルノ」本。よく出来ているし、そういうのを読むのは嫌いじゃないから面白かったけど w
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著者は相当頭の良い人で、前半の有吉弘行ばりの汚い言葉を使って既存の「自己啓発本」を小気味よくこき下ろす様は「つかみ」もバッチリ、中半以降は幅広い文献や web サイトの情報を使って自説を固めてたり、自分の、常人にはなかなか出来ない体験をネタとして取り上げ読者を飽きさせない。
ネタさえあれば日垣隆ぐらいのことは平気で出来そうな感じ。キャリアも勝間和代に負けていない。
日本に帰ってくれば、電波芸者の文筆業で食えそうなのだが、そうならないことを祈るばかり。
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