日々の徒然を

日曜日, 7月 03, 2016

本:セックスと恋愛の経済学

 東洋経済 ONLINE というまじめなサイトで、何回かの連載記事で取り上げられていたので、図書館から借りてみた。
 
 セックスと婚姻関係について、愛情とかを考えずに経済学的に解説した本。そういう意味では NHK で放送している「オイコノミア」のような感じなのだが、「ヤリヤリ君」とか「サカった学生たち」とか「だれもがヤッているわけではない」(いずれも目次より)と言葉使いがなかなかキャッチー w。


 いろんな論文を引用しているのだが、日本のものと思えるものはゼロ。なので今一つピンとこないものも多い。
 例えば、オンラインで出会った人々は 30代以前よりも、40代以降のほうが多い(pp267)というのは日本ではちょっと考えられない。
 あと、処女のお値段についてのコラム(pp226)では、一つ肝心な考察が抜けている。情報の非対称性についてである。女性のほうは自身が処女であるかどうかは100%確実にわかっているだろうが、それに対価を払う男性のほうは、相手の主張や状況から推察するしかない。この状態では対象の価値が下がるのは経済学的には当たり前のことだと思うのだが、それについての記述が一切ない。著者が女性だから処女か否かについてはあまりに自明すぎて、このことに気が付かなかったのだろうか?だとしたら、経済学者としてあまりにお粗末である ww

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 この本、日本語が異様に読みにくかった。あまりにひどいところだけに付箋を貼っていったのだが、読み終わって数えてみると10に近い。(すべて初版)
 
 "経済学的な交換理論によれば、最も生産的な出会いは、お互いに大きく異なっているため相手から得るところがある場合となります。
 だから、理想の相手ではないまでも、できれば自分と同じ市場価値を持つ相手が望ましいことになります。"pp104
 「自分と同じ市場価値を持つ相手」は「大きく異なっている相手」にはならないのでは?
 
 "双方がそれぞれ自分の方が得意な仕事を引き受けるのではなく、伴侶の一方が得意な仕事を全部やればいいと思っているのです。"pp108
 どうにも意味が取れないのだが、たぶん最初の「得意」は「比較優位」ではなかろうか?それでもまだ意味が解らないのだが...。
 
 同じ年(1970年)のデータ同士を比較している w (pp129)。これはたぶん単なる誤植だろう。
 
 熟練労働者に対して、非熟練労働者という言葉を使っている。熟練が必要な仕事についているが、まだ熟練していない労働者のことかと思ったがどうも話のつじつまが合わない。ネットで調べた限りでは「単純労働者」的な意味のようだ。おそらく原著では unskilled worker/labor あたりだと思うが、一般向けの本にこの訳語はないと思う。

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 キリがないのでここでやめるが、原著を機械翻訳したものを、英語が苦手な日本人ライターがリライトしたような訳が多くて読むのにとっても疲れた。
 
 内容的には面白そうな感じだが、日本語がひどすぎて楽しめず、残念だった本。

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