金曜日, 3月 15, 2019

被災記 - 6 2019-03-12 被災地に行ってきた

 今、仕事で高精度 GNSS(=いわゆる GPS)受信機の開発をしている。その関係で公的研究機関の方々の厚真の被災地の現地調査に同行させてもらった。
 
 朝、集合場所は、現地近くの道道沿いのコンビニ。そこから奥へと入っていくと、道路沿いに、倒壊した住宅や納屋などが現れてくる。新しめな、無傷な住宅は立て直したものだろうか?木造の古い納屋でも、完全に倒壊しているものと外見からは無傷に見えるもの、両方ある。断層の近くとそれ以外で揺れの差はかなり大きいのだろうか。
 道路も未舗装だったり、補修中の箇所が多数。揺れの大きな地域の被害を実感する。

 調査地点到着。道路と山の間の、地震で崩れかけた鉄骨造りの大きな倉庫の脇に車を止める。車を止めた場所を挟んで倉庫の反対側は平らになっていたが、そこは家が山からの土砂崩れで流された跡で、その家ではおじいさんが一人亡くなったそうだ。
 今日はそのお宅の敷地に車を止めさせていただく。手を合わせて、おじいさんのご冥福をお祈りした。

 調査というのは、土砂崩れが起きたあたりをドローンで上空から写真撮影して、地形や山林への地震による影響を調査するというもの。そのために GCP というものを何か所も設置するのだが、その GCP の位置(座標)を正確に知るために GPS を使っていて、それに現在開発中の高精度 GNSS 受信機が使えないか?というのが、今回自分が調査に同行させてもらった目的。
 
  GCP というのはかなり広い範囲に置くので、山の上や田んぼの中、土砂崩れで流れ出した土砂を整地した後など、数百メートル四方の範囲をかなり歩き回った。
 
 おかげで色々なものが見えてきた。
 
 ・山沿いでも、土砂崩れの起きたところとそうでないところがあった。車を止めた場所の脇の流された家も、家は流されたが庭の木は残っていた。ほんの数メートルの差。

 ・土砂は、山沿いから道路を越え、道路の反対側の田んぼに 100m 以上流れ込んでいるところもあった。が、道路沿いの無傷の田んぼもあった。

 ・道路わきには倒壊した家屋のものと思われる瓦礫がそのまま積み上げられていた。泥にまみれた布団や冷蔵庫、テーブルなどの家財道具は見るに忍びない。

 ・破壊された車も、そのまま残っていた。土砂崩れの威力は凄まじい。



 このあたりは強い地震の起きる可能性が高い地域だったそうだが、北海道で観測史上初の震度7を予見して対策するのは難しかったろう。
 
 先月も大きな余震があったし、明日は我が身、と考えないと。まずは部屋の中を片付けて、家具の倒壊防止対策をしないと...
 

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