日々の徒然を

金曜日, 12月 04, 2009

本:沈黙の春

 実りなき秋ハチはなぜ大量死したのかを読んで、そういえばこの種の本の原点とも言うべき沈黙の春を読んでいないことに気がついた。ということで、図書館で借りてきた。

 原著が出版されたのが 1962年、邦訳が出版されたのが 1964年、借りてきたのは邦訳をそのまま復刻した 2001年版。ちなみにおいらが生まれたのは 1964年。
 今読んでみると、農薬の影響という点については目新しいものはない。買ってはいけない系は別にしても、美味しんぼやら夏子の酒(無農薬の米を育てるために残留農薬のない水田を探すのに苦労したり、農薬の空中散布の時間がずれ込んだために登校中の小学生が農薬を浴び、病院に担ぎ込まれたり)やらメジャーなマンガで書かれていたり、ニホンミツバチが日本の農業を救うでは、実際に林を守るための農薬の空中散布について書かれたり、農薬被害にあった手記が掲載されたりしていた。
 彼の国で半世紀前にした苦労を、この国では懲りずにまだ続けているというわけだ。
 それでも、なんとかトキが暮らしていけそうになったことを考えると、少しはマシになってきたのだろうか?

 半世紀前のアメリカでは、効果や影響を考えもせずお役所がところかまわず新しい農薬を撒き散らしたおかげで生態系が大変なことになったというあたりは、お役所が後先考えずに公共事業に金をつぎ込んで抜き差しならない状況になってしまった今の日本の状況とダブって見える。現在のアメリカはそんなこと -- 新しい、即効性のあることに、後先考えずに飛びついて取り返しがつかなくなること -- がないように祈るばかりだ。

 ひとつ気になったのは、著者が生物農薬に過剰な期待を抱いていたこと。生物農薬として導入した外来種の昆虫が在来種の昆虫を絶滅させたという話をどこかで聞いたことがある。巨大なシステム(生態系)の一部だけを好きなように変化させられることを夢見るのはアメリカ人の特性なのだろうか?

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 著者のレイチェル・ルイーズ・カーソンは 57歳で癌で亡くなったそうだ。当時の平均寿命が何歳かは知らないが、ちょっと皮肉な気もする。

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 日本語が少々不自然な気がしたが、何十年も前の翻訳なので、これは仕方あるまい。きっと日本語が変わってしまったのだろう。
 

2 件のコメント:

たけくん さんのコメント...

y.taroさんは、1964年生まれなのですね。
私は1970年生まれですが、何か一緒にモノ作りが出来たらいいなぁ・・・とか思ったりしています。

ところで、私はIE8でこのブログを拝見しているのですが、何かが干渉しているかのように最新記事だけがうまく表示されないようです。

y.taro さんのコメント...

> 何か一緒にモノ作りが出来たらいいなぁ・・・とか思ったりしています。
 そうですね、オープンソースの世界では世界中の人たちが集まってひとつのものを作っているのですから、札幌と広島の間の距離なんて (^^
 でも、たけくんさんのブログを見ていると、守備範囲が私とビミョーに違うみたいですよね (^^;

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 ご指摘、ありがとうございます。
 久しぶりに adsense の広告を張ったら表示がおかしくなったみたいです。google の blog に google の広告を張っておかしくなるなんて...、amazon の widget あたりが悪さをしているのでしょうか?
 とりあえず、バナーを外してみました。

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