アンダーソン氏の講演内容を要約すると、(1)競争が激しい市場では価格は限界ぎりぎりまで落ちていく、(2)インターネットの世界では流通にかかるコストを限りなく「ゼロ」にできる、(3)そのため、価格の限界点は「ゼロ」になる――ということになる。四半世紀前は 'C'コンパイラというのはそれだけで商売になったが、いまや gcc が普及したおかげで Windows の API をサポートしたフレームワークが付属するとか、CPU メーカー純正のお墨付きとかがないと商売にならない。IDE だってあって当然。
これにより、「デジタル化できるすべてのものは、無料の競合商品に直面することになるだろう。競争のなかでは、競合相手が行う前に無料にしなければならなくなる」とショッキングな未来像を述べている。
OS だって、MS-DOS の機能と定価を、あるいは Windows 3.1 用のTCP/IP protocol stack がいくらしたか思い出せば、 今のWindows はタダみたいなもの。
最近でも、ニコニコ動画がそれなりにテレビの代わりをしてくれる。
いままでも昔高かったものが極端に安くなることは普通にあったが、タダになることはなかった。出始めの頃に一万円近くした電卓がいまや 100円ショップに並んでいるが、それでも 1/100。
ソフトウェアというのは、結局それ自体では産業としては成り立たないのかもしれない。
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