日々の徒然を

月曜日, 4月 27, 2009

本:自壊する帝国


 佐藤優に嵌っているので、図書館で借りてきた。これは面白かった。
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 佐藤氏が大学を出て外務省に入り、モスクワ大使館に配属されソ連8月クーデターの失敗を見届けるところまでを綴った回想録。国家の罠ではソビエト大使館時代のことが書かれていなかったのでちょっと不満だったのだが、この本で解消された。

 お堅いタイトルと違って中身はだいぶやわらかい。この本の前に「北方領土交渉秘録―失われた五度の機会」を借りたのだが、内容が固くて半分ほど読んだところで挫折してしまった。この本は夜から夜中までで半分よみ、翌日朝から読み始めて昼過ぎには残り半分を読み切った。

 ソ連とかロシアにはまったく興味はないのだが、ソ連最高学府のキャンパスライフ、ロシア人の性倫理、ソ連邦を形成する国々の葛藤、政府内のパワーバランス、ソ連大使館や外務省ロシアンスクールの内情など色々と飽きさせない。
 話は主に実際の時間を軸に進めて行くのだが、時々人に軸が移り、そのせいで混乱もするが話が見えやすくもなる。

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 しかし、偶然とは恐ろしい。佐藤氏がソビエト連邦の少数民族に似た風貌でなければ、あるいは日本人離れしたアルコール代謝能力を持っていなかったら、ここまで外交官として活躍は出来なかっただろう。
 逆に、佐藤氏が希望通りチェコ語の研修を受け、在チェコ日本大使館職員として外交官のキャリアをスタートさせていたら、地味な分野でちょっと有名な学者ぐらいで終わっていたのかもしれない。

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 この本を読むと、ソ連では一度失脚した政治家が表舞台に戻ることがずいぶんとあることがわかる。次の選挙のあとに鈴木宗雄と佐藤優も外交の舞台に復帰してもらえないだろうか?

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 読み進んでいるうちに「サーシャ」は実在の人物ではないような気がしてきた。架空の人物ということではなく、大学時代の何人かの知り合いとのエピソードをあわせたのではないだろうか?
 でなければサーシャのカーチャへの秘密を、東の果ての異国の言葉でとはいえ、本に記すとは思えないのだが。



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