水曜日, 12月 09, 2009

本:セックスはなぜ楽しいか?


 「銃・病原菌・鉄」と「文明崩壊」が面白かったので、同じ著者の本を図書館で借りてきた。

 なかなか刺激的なタイトルである。タイトルに「セックス」の文字があり、なおかつ、それがなぜ楽しいのか?と問うているのだから。

 最初、飼い犬の視点から飼い主夫婦の性生活の特異さについて書かれている。いわく、
  • 妻は、妊娠の可能性の有無に関わらずセックスをしたがる
  • 夫は、妊娠の可能性に関係なくセックスをしたがる
  • 二人は妊娠中でもセックスをする
  • 夫婦の親は母が閉経を迎えていて、妊娠の可能性が全くないのにセックスをする
  • セックスをするときは人目を避け、二人きりでする
 これらは何千何万とある種の中で、ほとんど人間しかしないことだそうな。この本は、他の生き物と比べて人間の繁殖行為がいかに特異か、なぜそのように進化してきたのかを考えていく。
 その内容は、残念ながらというか予想通りというか、いやらしい感じではない。いや、一歩引いて、書かれていることを真面目に考えると、相当いやらしかったり残酷だったりするのだが、あまりにも真面目な文体のおかげでそのことにはなかなか気づかない。

 多くの動物のなかで、人間の女性だけ(ではないらしい)が妊娠の可能性がないときにもセックスができるのはなぜか?それは、人間の子供は一人で食べ物を手に入れられるようになるまでに時間がかかり、それまでの間男性をつなぎとめておくためという話を聞いたことはあった。
 それはそれで可能性のひとつではあるが、最近(といってもこの本が出たのは1999年でもう10年も前だが)の研究によれば、もっと大事な理由があるらしい。残念ながらオイラの理解ではうまく書ききれないが、進化の過程はなかなかエロくてグロかったようだ。

 本の中では、人類は一夫一妻とハーレム型が主で乱婚のシステムはないとしているがどうだろうか?明治以前の日本の地方は乱婚で子供は集落みんなで育てたという話を聞いたことがある。
 日本に限らず、貧しいというか生活環境の厳しい地域に済む人間の小規模な集団であれば、普通にあってもおかしくないと思うのだがどうだろうか?

 最後の方で、男性のペニスの大きさは、その(種ではなく)固体の遺伝子を残すのにどれぐらい役に立っているかについての考察がある。ゴリラが3センチ、オラウータンが4センチなのに対して、人間のモノは12センチもあるそうだ。それが女性に対して判明する時期を考えれば、むしろ男性に対して効果があるのではないかと書かれている。さもありなん。最初から硬さについての考察が及ばない時点で、その可能性はかなり高い (w。

 ちなみに、「セックスはなぜ楽しいか」の答えは明確には書かれていない。が、この本を読んだオイラが考える限りでは....、セックスが好きな人の遺伝子だけが生き残ってきた結果でしょう (^^;

0 件のコメント: